2020年01月

「ゆかちゃんはどういうデザインが好きなの?」

お店で部品を選びながらY君が聞いた。

「シンプルなのが好みかな!」

「ちょっと色が入っててもいい?」

「全部任せる!」

「プレッシャーだ。。でも決めた!」

Y君は色々な部品を持ってお店の隅に行き、その場で店員さんに付きっきりで作り方を教えてもらっていた。

私は敢えて遠くにいた。

どんなのを作ってくれるんだろう。

時折難しそうな顔をしながら作業をすること数十分、Y君は指輪を完成させたようで、パッと明るい顔になった。

「ゆかちゃん!来て来て!」

Y君に呼ばれて行くと、彼の大きな手のひらに小さく光る指輪が乗っていた。

「ダイヤっぽい石とブルーの石の指輪にした!」

キラキラ光る石のついたシンプルな指輪は私の好みにピッタリと合っていた。

「うわぁ!想像以上に可愛い!」

「でしょ?俺のチョイスは正解だね!」

彼は嬉しそうに言い、私の左手を取った。

「俺と結婚して下さい」

そう言いながら、その指輪を私の薬指にはめた。

「よろしくお願いします」

私は少し頭を下げてこう返した。

「似合うよゆかちゃん。可愛い。」

Y君の表情がとても優しかった。

私の左手を握りながら、更にY君はこう続けた。

「ちょっと早いけど、、お誕生日おめでとうゆかちゃん」

「誕生日、、覚えててくれたの?」

「当たり前じゃん!でもまたしばらく会えないから、、これは誕生日プレゼントだよ」

「ありがとう。大切にする。」

Y君が私の誕生日を覚えていたことにビックリした。

随分前に1回だけさらっと言っただけだったから。

「誕生日にプロポーズ、いいよね!」

「でも指輪じゃなくて別の物を作る予定だったんじゃないの?」

「いいからいいから!ゆかちゃんは俺の女!俺のもの!!」

人目がある店内でハグされ、恥ずかしく思いながらも嬉しかった。

12月の最初に会えたきり、その後は数日に1回くらいしか連絡をし合わない日が続いた。

年末年始はほとんど連絡を取らなかった。

年明け、やっと会える日が決まった。

でも私の心は少し離れていた。

さすがに1ヶ月以上会わないまま、連絡もまばらだったら存在が薄れていく。

年明けに会うのもやめようか悩むくらい、私のY君への気持ちは小さくなっていた。

でもな、、

会ったら気持ちがまた復活するかも、、

そう思い、会うことにした。

待ち合わせ場所にいたY君を見て、懐かしい気持ちになった。

あぁ。Y君ってこんな顔だった。

「ゆかちゃん!会いたかった!!」

Y君はそう言い、私の手をとって繋がせた。

厚ぼったくて温かいY君の手の感触もまた懐かしかった。

「ゆかちゃんにさー、手作りのプレゼントしたいんだ」

「作れるの?」

「手作りのアクセサリー教室をやってるお店がこの近くにあってさ」

「へー!」

「だから何か作りたいなって。その場で色々教えてくれるんだって。何欲しい?」

私は少し考えてから言った。

「指輪」

Y君はビックリしたように私を見た。

「指輪?!指輪なんてゆかちゃんつけるの?!」

「そりゃ一応女の子ですから」

「えー、意外だ」

「指輪欲しいの」

「わかった!じゃあ結婚指輪作ってあげる!」

Y君は一気にやる気を出してお店に向かった。

その後ろ姿が可愛くもあり、たくましくもあり、優しくもあった。

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