「ゆかちゃんのすべてがタイプなんだよね!!」

と言われて猛アタックされ、Y君と付き合うことになったのだが。

タイプだと言ってもらえてすごく有難かったけれど、実は話していた時はY君と付き合うことはありえないと思っていた。

Y君の見た目はかなり爽やかだし、明るい雰囲気だし、好感を持つ人は多いと思うのだが、やはり私の惹かれるタイプではなかった。

だからこそ、自分でもいつY君を好きになったのか、分かっていない。

「T君を忘れよう」と決心し、真剣にY君と向き合ってから、Y君の良さが見えてきた気がする。

それでも、Y君を好きだと胸を張って言える自信はなかった。

しかし、Y君に告白された時、私は彼が確かに好きだった。

だってキスされた時、嫌じゃなかったから。

私の中で、キスは特別なものだ。

好きな人とじゃないと出来ない。

だからあの時、確実に私はY君が好きだった。

どの瞬間に人を好きになるかは本当に分からない。

少なくとも最初はY君は恋愛対象じゃなかった。

T君を吹っ切れているいないに関わらず。

私が好きになるタイプじゃなかったのだ。

Y君。

君はどうして私の心を動かせたの?

最初は素っ気なくてごめんね。

冷たくてごめんね。

でも私はあのキスで自分の本当の気持ちが分かったんだよ。

ちゃんと君が好きだって。

早く君とキスしたい。

今も君が好きだってまた確信したい。