「普段寂しくないように俺の分身あげるよ」

と言われ、Y君はゲームセンターに入った。

「この中ならゆかちゃんはどのぬいぐるみが欲しい?」

「えっ、取ってくれるの?」

「俺下手くそだから無理かも笑」

「ダメじゃん笑」

「一応取ってみるから選んで!」

「じゃあそれ!」

私が指さしたのは、特に有名なキャラクターでもない普通のイルカのぬいぐるみだ。

「これ?!」

案の定Y君は驚いた。

「何のキャラクターか分かんないけど、ほんとにこれ?!」

「顔がさ、Y君そっくりだよこのイルカ」

「ちょ、俺こんな顔してるんだ。。まぁいいや。。これね!」

UFOキャッチャーはあまりやらない、と言っていたY君だが、その言葉通り腕前は私よりも遥かに下だった。

「俺無理だわ!」

と頭を抱えるY君。

後ろで私は笑いながら、

「無理そうだね笑これやめよう笑」

と言うと、

「いや。やります!!」

と諦めなかった。

どう頑張っても無理そうだったのだが、店員さんが助けてくれて思ったよりも早くイルカを取る事が出来た。

「あの店員さんいなかったらダメだったね笑」

「うん笑でも取れたね!これ、もらっていいの??」

「当たり前じゃん!俺持って帰れないし笑」

「ありがとう!このイルカがいたら寂しくない!」

と私はイルカを抱きしめた。

顔が素朴で、笑った顔のイルカはやっぱりY君にそっくりだった。

「俺だと思って、毎日必ず抱きしめて寝ること!!」

「はーい!」

苦手なUFOキャラクターを頑張ってくれた気持ちが嬉しくて、その後もそのイルカを腕に抱えたまま街を歩いた。

「いい加減しまったら?笑」

と言われてしまったが、

「嫌です」

と私は絶対に袋に入れなかった。

何度見ても、イルカの顔はY君だった。

「ゆかちゃん、これ見たら俺の事思い出してくれる?」

「イルカいなくてもいつも思い出してるって!」

「でも更に思い出してくれる?」

「うん!傍に置いて寝るし、常に思い出す!」

「俺もいつもゆかちゃんのこと思い出してるよ。ゆかちゃんからもらったプレゼント、職場にあるし」

「使ってくれてありがとう!お互いあげたものが身の回りにあるっていいね!」

お互いの分身がちょっとずつ増えていく嬉しさ。

そういう嬉しさを感じる点が2人とも似ていて、相性の良さを改めて感じる。

寂しくなんてないよ。

会いたいけど、寂しくないよ。

Y君が私を好きでいてくれるなら、全然寂しくない。