「ゆかちゃんはどういうデザインが好きなの?」

お店で部品を選びながらY君が聞いた。

「シンプルなのが好みかな!」

「ちょっと色が入っててもいい?」

「全部任せる!」

「プレッシャーだ。。でも決めた!」

Y君は色々な部品を持ってお店の隅に行き、その場で店員さんに付きっきりで作り方を教えてもらっていた。

私は敢えて遠くにいた。

どんなのを作ってくれるんだろう。

時折難しそうな顔をしながら作業をすること数十分、Y君は指輪を完成させたようで、パッと明るい顔になった。

「ゆかちゃん!来て来て!」

Y君に呼ばれて行くと、彼の大きな手のひらに小さく光る指輪が乗っていた。

「ダイヤっぽい石とブルーの石の指輪にした!」

キラキラ光る石のついたシンプルな指輪は私の好みにピッタリと合っていた。

「うわぁ!想像以上に可愛い!」

「でしょ?俺のチョイスは正解だね!」

彼は嬉しそうに言い、私の左手を取った。

「俺と結婚して下さい」

そう言いながら、その指輪を私の薬指にはめた。

「よろしくお願いします」

私は少し頭を下げてこう返した。

「似合うよゆかちゃん。可愛い。」

Y君の表情がとても優しかった。

私の左手を握りながら、更にY君はこう続けた。

「ちょっと早いけど、、お誕生日おめでとうゆかちゃん」

「誕生日、、覚えててくれたの?」

「当たり前じゃん!でもまたしばらく会えないから、、これは誕生日プレゼントだよ」

「ありがとう。大切にする。」

Y君が私の誕生日を覚えていたことにビックリした。

随分前に1回だけさらっと言っただけだったから。

「誕生日にプロポーズ、いいよね!」

「でも指輪じゃなくて別の物を作る予定だったんじゃないの?」

「いいからいいから!ゆかちゃんは俺の女!俺のもの!!」

人目がある店内でハグされ、恥ずかしく思いながらも嬉しかった。